札幌パルコ7階・スペース7(札幌市中央区南1西3、TEL 011-214-2111)で現在、「国宝みうらじゅん いやげ物展 in 札幌」が開かれている。
みうらさんが「もらってうれしいはずの土産物なのにそうでもないもの」「一体誰が買うのか」と疑問を抱いた商品「いやげ物」を展示する同展。25年ほど前に企画が立ち上がって以来、全国各地の「いやげ物」の一部約2000点を一堂に集めた。15年前の開催以来2度目で、札幌では初開催。
会場では「甘えた坊主の世界」「ひょうたん君の世界」「ゴムヘビの世界」「天狗の世界」「3Dポスター」「テレフォンカード」「みうらじゅんマネキン」「ゆるキャラ」など35のコーナーを設ける。同館1階の正面入り口には高さ2.7メートルほどの展示物「つっこみ如来」も。
「製造中止になってしまったものや地方の伝統工芸などさまざま。1個2個ではなくここまで数を集めることに意味がある」とみうらさん。「こういうものは一度寝かせて時間がたったときに新たな価値が出てくるので、後に民俗学として捉えられるものになる」と「いやげ物」の将来性も見据える。「これらは趣味ではなく義務として集めたもので、趣味としてやっていたらここまで続かなかったと思う。中には性がルーツのものがあり『エロ』を匂わせる展示物もあると思う方もいるかもしれないが、『エロ』は自分にとって別ジャンル。『エロ』は趣味や義務ではなくライフワーク」などと、「いやげ物」と「エロ」の違いについても言及する。
ブームとなったゆるキャラについて「最初は12、3年前に集めだしたことから始まった。当時はなかなか一般に流通していなかったので地方自治体に交渉して手に入れたりしていたが、当時自治体の方々に『我々は本気でやっているのでゆるくない』と言って怒られたこともしばしばあった」と苦労を振り返る。
場内のショップでは、みうらさんが描いた「いやげ物」のイラストをプリントしたTシャツ(3,990円)やオリジナルクリアファイル(368円)などを販売する。
「いやげ物や日本の一部の伝統はきっと海外で評価を得ることができる。例えばタランティーノ(『パルプ・フィクション』『キル・ビル』シリーズなどを手掛けた映画監督)は日本の物事を取り入れ発信するのがうまい。しかし、そういう評価を見て日本人はこのままでいいのかとも思う。日本は先を見ることは好きだが再発見がへた。ゆるキャラも10年寝かせてブームになったので、結論を急ぎすぎないということも大事。今では絶滅危惧種となってしまったいやげ物の数々を改めて楽しんでほしい」と呼び掛ける。
開催時間は10時~20時(土曜は20時30分、最終日は18時まで。入場は閉場30分前まで)。入場料500円(学生400円、小学生以下無料)。4月21日まで。