石山通沿いの「コープさっぽろ 藤野店」(札幌市南区藤野3条6)に7月5日、地元生産者らが直送した野菜や果物を販売する「ご近所野菜 藤野農園」がオープンした。
北海道内の「生活共同組合コープさっぽろ」では数年前より、生産者の応援・生産者と消費者の交流を目的に、「ご近所野菜」コーナーを展開。毎年売り上げ・規模を伸ばし、昨年度の売り上げ10億円、参加する生産者は1000軒を超える。
売り場面積は40坪。「藤野農園」では規模を拡大し「道の駅」風の販売所を設け、64人の農家や生産者が集まり野菜や果物を販売するほか、今までの「ご近所野菜」にはなかった冷蔵・冷凍ケースを新たに設け、卵、米、漬物、ワイン、アイス、加工品も販売し商品のバリエーションを広げた新型の「ご近所野菜」。現在は約200種の商品をラインアップする。生産者は、藤野地区だけでなく、峠を越えて真狩、喜茂別、当別などの地区からも集まる。売り上げ目標は年間3,250万円。
同組合の中島則裕常務は「生産者の顔が見えることで消費者との交流につながる。直通なので安心・安全かつ鮮度も良く、価格も安い。味は同じだが販売できない規格外のサイズのものも、セット販売することで生産ロスを減らし売り上げ向上も見込める。全道各地で積極的に展開したい」、北海道農政部食の安全推進局・多田輝美局長は「畑から直送するため輸送する時間も短く、新鮮でおいしい食材を提供できる。生産者と消費者の架け橋になり、地域経済の循環も図りたい」と話す。
オープン初日は、多くの近隣住民が駆け込み、生産者からの説明を聞きながら商品を手に取る姿が見られた。当別からシイタケの原木や商品を持って来た生産者の男性は「味も鮮度も違うので自信がある。まずは一度見てもらって食べてもらえれば分かると思う。こうした取り組みは今後も積極的に行いたい」、来店した女性は「価格が安いし新鮮さも良い。ニセコの道の駅などにも買いに行ったりしたが、この店にもその雰囲気が出ている」と同店の取り組みの強みや利点を話していた。一方、卸業者は「直売で価格も安い商品が並んでいる。今後は販売のための工夫や生産者との連携が必要」と、今後の販売に向けての課題も抱えていた。
営業時間は10時~22時(木曜・日曜は9時~)。