「札幌グランドホテル」(札幌市中央区北1西4)本館1階ロビーに7月2日、アートスペース「グランビスタギャラリー サッポロ」が新設された。
文化の「発信・振興・交流」をテーマに設けられた同ギャラリー。約8週ごとにアート、デザイン、工芸などの分野で活躍するアーティスト、北海道、札幌にゆかりのあるアーティストなどの作品展示、ワークショップ、講演会、作品販売などを行う。
1回目は、1972(昭和47)年に開催された「札幌冬季オリンピック」のシンボルマークを制作したグラフィックデザイナー・永井一正さんの個展「LIFE」を行う。生き物を通じた命、自然との共生をテーマにした手描きのポスター作品8点、エッチング作品16点を展示する。札幌で永井さんの個展を開発するのは今回が初。
今後はアーティスト・日比野克彦さん、インタリアデザイナー・内田繁さん、彫刻家・伊藤隆道さん、文化人類学者・山口昌男さん、アーティスト・五十嵐威暢さんらの展覧会スケジュールを組んでいる。内田さんはギャラリーの企画制作を担当した。アーティスト支援の宿泊プランや文化活動への寄付付き宿泊プランも予定する。
「以前のホテルは市民社会の中でブルジョアジーの社交場だったが、現在はホテルの役割も変化し、市民が信頼を持って利用する場になった。市民文化とどれだけつながりが持てるか、どれだけ愛されるかが最大のテーマ」と内田さん。「まずは札幌や北海道にゆかりのある人物をピックアップするべきだと思った。この1年でギャラリーの在り方も見えてくるはず。どう市民生活の中に寄り添えるか。デザインを通して伝えたい」と話す。
開催時間は11時~19時(最終日は17時まで)。入場無料。永井さんの展覧会は9月3日まで。