北海道第1号の都市型養蜂業者「サッポロハニーエンジェルズ」を運営するアイズ(札幌市北区北6条西7)は11月11日、同社が経営するラーメン店「三代目 月見軒 札幌駅北口店」(同)と「さっぽろ地下街 オーロラタウン」の「道産食品セレクトショップ きたキッチン」で札幌産の蜂蜜を使った「札幌はちみつロール」の販売を始めた。
同社は昨年から札幌中心街のビル屋上を利用した都市型養蜂を開始。札幌の緑化環境・生態サイクルの改善や、純札幌中心街産の蜂蜜の普及を目的に活動しており、同年には札幌中心街で集めたミツバチの蜂蜜を使ったロールケーキ「eco-ROLL(エコロール)」を販売した。
今年は札幌駅・円山・狸小路・すすきの・大通り・山鼻の6カ所に巣箱を設置し、約100万匹のミツバチが集めた蜂蜜を採蜜。同年6月には、純札幌産の蜂蜜「2011年春一番搾り」も販売した。
今回の「札幌はちみつロール」は1カット315円で販売。生クリームの中に札幌産蜂蜜が10グラム入ったロールケーキで、スポンジには米粉を使う。「これまで当社で販売してきたロールケーキと大きく違うのはスポンジ。より『しっとりふわふわ』した食感になるよう工夫した」と同社アグリ生産室養蜂部部長の田岡さん。「試食をしていただいたお客さまからは『普通のロールケーキよりも、蜂蜜感が強調されていておいしい』と好評」とも。
2010年度から都市型養蜂の北海道第1号となり2シーズンが終了したことを受け、同商品の販売開始日には、ミツバチを供養するための「蜂供養法会(はちくようほうえ)」も同社が入居する「北海道自治労会館」で行われた。
「ミツバチの寿命は非常に短いため正確な数は把握できないが、ピーク時には150万~200万匹のミツバチを養蜂していたので、2シーズンでの延べ数はかなりのものになる。たくさんのミツバチたちの犠牲の下、蜂蜜を採取しなりわいとしてきたので、そのミツバチたちを供養したかった」と田岡さん。当日は、同プロジェクトや養蜂に携わった関係者ら約20人が出席した。
田岡さんは「地産地消をテーマに、地域に根ざしたブランドを作るため札幌産の蜂蜜を手掛けてきた。今後はさまざまな企業と協力し、札幌産蜂蜜を生かした料理やスイーツなど地域に根ざした商品を開発していきたい」と意気込む。