札幌市営地下鉄東西線コンコース「大通駅」と「バスセンター前駅」を結ぶ地下通路に11月3日、「札幌大通地下ギャラリー(500m美術館)」がオープンした。
500m美術館は「普段何気なく利用している地下通路をギャラリーに、たくさんのアーティストの作品を展示して日常的な空間を美術館に変えよう」と、2006年に「さっぽろアートステージ」美術部門の一環として期間限定で開催され、平日は1日約1万人が訪れた。アートステージでの反響により、常設ギャラリーとして新たにオープンする。
アート作品を通年で設置することで、「市民が芸術文化に触れる機会を増やすとともに、札幌で活躍する芸術家の作品展示の場が増えるので、よりアートを身近に感じることができる」と札幌市役所市民文化課の伊藤さん。
公共交通機関でもある地下鉄構内の通路に設置するギャラリーとしては日本最長で、500メートルの一直線に続く通路ということもあり、横長の空間を生かしたさまざまな作品展示が特徴。11月3日~来年4月28日まではオープニング記念展として、札幌を中心に活動している芸術家約50人の作品を前半展・後半展の2回に分けて展示する。
大通駅側とバスセンター前駅側で2パターンの展示方法があり、展示スペースは300メートル設けた。大通駅側は、一部にショーウインドーのような強化ガラスで囲まれた展示空間「展示ケースゾーン」を設け、立体作品を展示する。バスセンター前駅側は、LEDライト200灯を設置し、展示壁面にパネルを貼り付けた「コンポジェットパネルゾーン」を設け、絵画や写真のような平面作品を展示する。そのほか、プロジェクター2台を完備し、映像作品も展示できるようにした。地下通路に設置された展示空間という特殊性を際立たせるため、両側に美術館としてのエントランスを設け、計6台の大型モニターを完備。来年度以降は年4回の頻度で作品の入れ替えを行う予定。
「美術館の常設化により、通路としてのイメージを一新した。美術館に行くのは気が引けるという方も地下鉄構内という場所なら気軽に観覧していただけるのでは」と伊藤さん。「常設化をきっかけに、芸術の力で通路だけでなく地域の活性化につなげ、より市民に芸術に対する関心を持っていただきたい」とも。
照明点灯時間は7時~22時30分。