札幌宮の森美術館(札幌市中央区宮の森2条11)で10月16日より、同館初となる北海道在住のアーティストによる展覧会「SCAN DO SCAN(スキャン・ドゥー・スキャン)」が開催される。
同館は昨年10月、アメリカの有名アーティストのクリストさんとジャンヌ=クロードさんによるレクチャーを行う際、実行委員会を結成し数人のアーティストらの協力を得て開催。そのアーティストから「いずれ北海道のアーティストも取り上げてほしい」と、同館の村田隆館長と意気投合し、同展の開催が決まった。
展覧会タイトルの「SCAN DO SCAN」は、「どうスキャンする」の意。これまで、道外や海外のアーティストによる展覧会を手がけてきた同館は「後発だが、民間の美術館として道の美術振興に寄与できれば」と道内のアーティストに焦点を当てた。連続企画として今後も年1回の開催を予定しているという。
参加アーティストは、木や金属を使ったユニークな立体造形で独自の世界を展開する安部典英さん、木の葉のように浮遊する形態が静謐な空間を表出する柿﨑熙さん、ビデオ・インスタレーションで虚と実のバーチャル世界を構築する伊藤隆介さんの3人。
同展は、3人のアーティストが50~70平米の展示室をそれぞれ1室ずつ企画・構成から担当し、空間自体を作品化した要素が強く表れている。阿部さんの作品は「船」をテーマとした新作で、長さ約10メートルほどの部屋いっぱいの巨大な船。柿崎さんは、種子の飛翔や木の葉の芽吹きなどをイメージしたインスタレーション作品。伊藤さんは、「映画」「映像」をテーマにサラダスピナーや脚立など日常用品で作製した映写機をはじめとした3点。ギャラリー通路や階段の踊り場などにも作品を展示する。
3人のアーティストによる「アーティストトーク」が10月28日14時から開催予定。観覧料は、一般=300円、高校生・大学生=200円、中学生以下=無料。開館時間は11時~19時。月曜休館。12月16日まで。