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札幌のうどん店「一久」が1周年-元会社員、本場・讃岐の食べ方提案

「一久」の店内

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 札幌・狸小路のうどん店「一久(いっきゅう)」(札幌市中央区南2条西1、TEL 011-210-7719)が11月7日、1周年を迎えた。

「15センチのちくわ天と半熟卵がトッピングされたうどん。ちくわの大きさ、ボリュームに驚く人も多い」という「ちく玉天ぶっかけ」

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 讃岐うどんをメーンに定番のかけうどんやオリジナルの創作うどんなどを提供する同店。大阪出身で飲食関連の会社に勤めていた店主の中村さん。オープンのきっかけについて、「もともと自分の店を持ちたいと考えていた。会社に勤めていたとき札幌に転勤したことがあり、そのときに街の雰囲気が気に入った。地元・大阪での出店も検討し、結局札幌で出店した。出店を決め手は家賃の安さだった(笑)」とほほ笑む。

 麺にこだわるという同店。「試行錯誤してさまざまな素材を使って研究した。現在使っているのは北海道産の『きたほなみ』という品種。一冬越した強い麦で、色味も良く保存性も高いうどんには最適な品種。この小麦を軸に数種の小麦をブレンドし自家製麺を作る。ツヤとコシを意識した麺に仕上げた」

 食べ方は「かけ」「ぶっかけ」「生しょうゆ」の3種。「かけ」は、カツオ、サバ、ウルメなど数種の「節」からだしを取った薄口関西風味のつゆで食べる全国的に定番のスタイル。「ぶっかけ」は「最も讃岐らしい」といわれる食べ方で、味付けした濃い口のつゆを麺にかけるスタイル。麺とつゆの温度を選ぶことができる。「生じょうゆ」はカツオだしで割った特製のしょうゆ。ほのかな甘みが特徴でうどん本来の味を楽しめるシンプルなスタイル。「讃岐の食べ方を提案できるので、『こんな食べ方もあったんだ』ということを知ってもらうきっかけになってほしい」

 中村さんの「おすすめ」は、「15センチのちくわ天と半熟卵がトッピングされたうどん。ちくわの大きさ、ボリュームに驚く人も多い」という「ちく玉天ぶっかけ」(700円)、「自家製のラー油やチーマー醤、肉みそで調理したオリジナルで、讃岐と四川をコラボした」という「坦々ぶっかけ」(800円)、「香川にある金刀比羅(こんぴら)宮(通称『こんぴらさん』)の参道に続く785段の石段を15センチのエビ天、力強さを揚げもちで表した」という「金刀比羅ぶっかけ」(900円)も。

 「店を出してから1年間は楽しかったが苦労も多かった。お客さまの反応を見て素材のボリュームやうどんの質感を変える工夫や、大阪の人気店に研修に行って勉強するなど試行錯誤した日々が続いた。今はサラリーマンやショップ店員の方など幅広い客層、年齢層の人に食べてもらえるようになった」と中村さん。「北海道は、水、小麦、昆布など素材が豊富で質も良いのでうどんを作るには本当に良い土壌。北海道でも業界のつながりを強くして、日常食として定着するよう盛り上げたい」とも。

 営業時間は11時30分~在庫が無くなり次第(20時が目安)。

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