札幌テイネスキー場(北海道札幌市手稲区手稲本町)で2月9日、札幌在住のプロスキーヤーらにより発足したスノースポーツミーティング実行委員会と星置東小学校との共同主催によるレッスンイベント「スーパースキー学習」が行われた。
同実行委員会は、日本全体でのスキー人口低下を以前から危惧(きぐ)していた森脇俊文さんらが2007年秋に発足した。
レッスンは、以前から交流のあった「北海道雪プロジェクト」事務局長の小笠原啓之さんが同小学校で教員を務めていることから、同小学校5年生65人を対象に行われた。札幌では、小中学校のスキー授業の減少により、子どもたちのスキー離れが進んでいる。こうした現状を改善するために企画された同レッスンには、札幌圏に在住する一流プロスキーヤーなど総勢14人が無償で参加した。
子どもたちにスキーの魅力を伝える方法として、「なかなか間近で見る機会のない、一流プロスキーヤーたちの本気の滑りを間近で見せ、プロスキーヤーたちの格好良さやすごさを感じることが一番良いのでは」と考え、プロスキーヤーら8人が8班に分かれて各班の隊長となり、隊員である小学生たちを引率しながらスキー場を冒険し、スーパースキーヤーにレッスンジャックされるという設定で行われた。
レッスンジャックは、合計3箇所で行われ、荒木雄作さん(元全日本モーグルナショナルチーム)がコブ斜面でのデモンストレーションを行うA地点、児玉毅さん(冒険スキーヤー)がシールという用具を使うことで斜面をスキーを履いたまま真っ直ぐ登る姿を披露するB地点、井山敬介さん(全日本スキー技術選手権チャンピオン)によるデモンストレーションと田中哲也さん(元長野パラリンピック代表)による片足スキーでのデモンストレーションが行われるC地点を各班の隊長がローテーションで誘導し、デモンストレーション後にはワンポイントレッスンも行われた。最後に全員で楠泰輔さん(フリースキーヤー)らによるワンメイクジャンプを鑑賞した。
森脇さんは「今回のイベントを行った際に、スキーを滑ることはおろかスキーを滑ることが怖くて、スキー場にあるキッズパークで過ごしているような子どもたちが、ニコニコと目を輝かせながら先生たちに引率されている姿を見た時が、とても印象的だった」と振り返った。「今回のイベントで、ほかのスキーヤーなども何か行動を起こすきっかけになれば」とも。