札幌エルプラザ（札幌市北区北8西3）で9月19日、岩井俊二監督の過去の映画作品を特集上映する「岩井俊二さっぽろシネマフェスティバル」が開催される。

　市民有志が運営する札幌の自主上映団体「Sapporo Cinema Project 映画の空気」が、会場となる札幌エルプラザ5周年記念イベントの一環として企画。同団体はこれまで、寺島進さんや大森南朋さん、岸辺一徳さんなど1人の俳優の出演作品を特集上映し、本人を招いてトークショーを行うなど企画上映会を行ってきた。「監督にスポットを当てることでまた違った形の上映会を作れると思った」（同団体担当者）と、今回は俳優でなく1人の監督を特集する。

　当日は、岩井監督が映画監督としてデビューする前に日本映画監督協会新人賞を受賞したテレビドラマ「ifもしも～打ち上げ花火、下から見るか？横から見るか？」（1994年）のほか、「スワロウテイル」（1996年）、「花とアリス」（2004年）の3作品を上映。会場のエルプラザにはDVD上映の設備しかないが、同イベントのために映像機材をレンタルするなどフィルム上映にこだわりを見せる。

　今回、岩井監督自身は会場には来られないが、特別企画として上映会の合間に岩井監督に関するクイズ大会「岩井マニア」を開催。初級・中級・上級のさまざまな問題を用意し、○×形式で正答数を競う。成績優秀者には、岩井監督のサイン入りグッズを進呈する。

　劇場前ロビーと劇場内には、上映作品の資料や写真を展示するほか、公開当時の雑誌などからさまざまなインタビュー記事をまとめたオリジナルパンフレットを配布。過去の作品DVDやサウンドトラック、公開当時の映画のTシャツなども販売。先着入場者80人には、「スワロウテイル」作中に出てくるアゲハのタトゥーシールを進呈する。

　同団体担当者は「岩井監督好きの多くの人と一緒に映画を見るという一体感は、家庭でのDVD鑑賞では絶対に体験できない感動があると思う。初心者からマニアの人までみんなが楽しめる上映会になれば」と期待を寄せる。

　開演時間は11時40分（開場＝11時）。チケットは、前売り＝2,700円、当日＝3,000円。市内プレイガイドなどで発売中。