「nORBESA(ノルベサ)」(札幌市中央区南3西5)3階ホールで3月14日、「北海道デジタルアニメコンテスト(キタアニ)」の表彰式が行われた。主催は北海道、北海道モバイルコンテンツ・ビジネス協議会。
道内各地の魅力を世界へ発信する「クールHOKKAIDO」の一環として、道内の食材や特産物、文化などをテーマに開いた同コンテスト。今回は、アニメ部門に32作品、キャラクターデザイン部門に56作品、マンガ部門に10作品の応募があった。
審査は、ガイナックス(東京都)総括本部長の武田康廣さん、クリプトン・フューチャー・メディア(札幌市)の伊藤博之社長、ハートビット(同)熊谷仁志社長、北海道モバイルコンテンツ・ビジネス協議会・代表幹事の里見英樹さんが審査を行い、各部門のグランプリを発表した。
キャラクターデザイン部門グランプリは、くろみつさんの「旧赤レンガ」。シュールなキャラクターデザインと旧赤レンガ道庁の雰囲気が伝わってくることが評価された。マンガ部門グランプリは、あわぢさんの「ジプシーモス」。近年札幌近郊で異常発生しているマイマイガを題材にしている。アニメ部門グランプリは、大澤龍一さんの「北海道で何食べよう」。同作は、ゆるキャラのコアックマとアックマが観光客とは気付かれないように装うが、ラーメン店で「バターコーンラーメン」を注文し観光客であることがばれてしまい…というストーリー。
武田さんが「なぜコーンバターラーメンでばれるのか何度見てもわからない」と疑問を口にすると、受賞者の大澤さんから「札幌の人はまず頼まない観光客向けのラーメンだから」と解説したが、納得できない表情を見せていた。
絵本でまちおこしをしている剣淵町の「剣淵町長賞」は、キャラクターデザイン部門=みやびさんの「みるちゃん」、マンガ部門=原田ミサオさんの「キタノ ダイチくんのマンガ」、アニメ部門=おおたまいさんの「おすそわけ雪だるま」がそれぞれ受賞した。
キャラクター部門について里見さんは「キャラクターは見た目だけでなく、プロフィールをしっかり見て審査したほか、キャラクターのモチーフとストーリーの親和性のバランスを重視した」と話す。伊藤さんは「マンガ部門はアニメ化を前提にすることや北海道を題材にしていたため力んでいた作品も見られた」と作品の傾向を評した。武田さんは「アニメはこの先どうなるのだろうと興味を引かせるストーリーが大切。映像作品の7割は音で決まる。絵が下手でも音の演出次第で最後まで見てしまう」とアニメ制作時のポイントについて解説した。
会場では、キタアニコンテスト作品募集開始と同時に募集したアニメ制作研修生が制作した「START EAT UP ☆ HOKKAIDO!!」、ハートビットのスタッフがアニメーション制作ツール「TOON BOOM」で作ったキタアニコンセプトムービー「イチャコラアニマル」の上映も行われた。
応募作品はすべて、同イベントホームページで確認できる。