札幌市内でシェアハウス事業を展開している「MASSIVE SAPPORO」(マッシブサッポロ)(札幌市中央区南2条東2、TEL 011-812-2111)が1月18日、2月中旬に運営開始するシングルマザー向けシェアハウス「Enfants Cheris(アンファンシェリ)」の説明会を行った。
「アンファンシェリ」は、「いとおしい子ども」という意味。住環境の提供だけでなく、サポーターが子育てを支援する取り組みも行う。
シェアハウスは鉄骨4階建てで、1階共用部分にリビングルーム、キッズスペース、キッチン、バスルーム、洗面所・ランドリー、トイレ、2~3階に個室全15室(8畳)、共用のバスルーム、洗面所・ランドリー・トイレ、屋上は洗濯物を干すスペースを置く。
説明会には、DVや虐待、離婚などの相談を請け負う団体のスタッフ、シングルマザーを支援するボランティア団体、男女共同参画センターの職員、シングルマザーなど10人が参加。札幌で初めてとなる民間運営のシングルマザー向けシェアハウスということで、質疑応答では活発な意見交換が行われた。
マッシブサッポロの川村健治社長は東京で総合不動産デベロッパーに勤務しながら2011年3月、宮の森にシェアハウス「BUIE(ぶいえ)」をプロデュース。その後札幌で起業し、現在市内にシェアハウス9棟を運営している。
川村さんがシングルマザー向けシェアハウスを運営するきっかけになったのは、2011年に東京で参加したシングルマザー専用シェアハウス「ペアレンティングホーム」(横浜市)の説明会に参加したことだった。同施設は、子育てと仕事の両立を支援するサービスがあるのが特徴。参加者の中にはこのシェアハウスに入居するために、新潟から転居することを考えている人もいた。川村さんは首都圏外から引っ越しを考えている人がいることに驚き、「札幌にもシングルマザー向けシェアハウスを作りたい」と考えたという。
独身の川村さんは、子育ての経験もシングルマザーについての知識も経験もないため、開設の準備がなかなか進まなかったが、2014年6月に元社員寮をシェアハウスにという話が舞い込み、同9月に同窓会で保育士養成施設「こども学舎」(西区)の河村泰孝さんと出会い意気投合したことで事態が進んだ。同施設の学生であるシングルマザーに要望を聞くなどして、11月に改装工事着工に漕ぎつけた。その後、子育てシェアサービスを行う「アズママ」、シングルマザーの相談を行う「MAMEKOの相談室」、法律の専門家、病院などの協力も得ることになった。
川村さんは「私自身シェアハウスで生活をしてきた経験があり、入居者同士が家族のように支え合い、より前向きな人生に変えるきっかけを作るという場面をたくさん見てきた。このシェアハウスがシングルマザーの方々の『共育』の場になってほしい」と力を込める。
賃料は3万5,000円~、共益費は5,000円。その他、仲介手数料、保証金、火災保険料が必要。入居条件などは要問い合わせ。説明会も随時開催している。