9月10日夜から猛烈な雷雨に見舞われた札幌市。市内各地に土砂災害および一部河川氾濫の危険性が高まり、11日3時に配信された緊急速報を皮切りに同10時まで次々に緊急速報が届き、市民は眠れない夜を過ごした。
大雨の影響で、札幌市内を流れる月寒川、望月寒川、厚別川、野津幌川が一時氾濫危険水位を超え、同3時過ぎから札幌市災害対策本部がスマートフォンなどに避難を促す緊急速報を送り始めた。
同11分・30分に南区に避難勧告を発令、4時1分に中央区、同4分に豊平区・清田区、同8分に白石区、同10分・28分・29分に豊平区の避難勧告地域の拡大、同13分に厚別区、同46分に清田区の勧告地域を拡大など、引き続き9時までの間に計22回の緊急速報を配信した。その間、札幌市のホームページへのアクセスが集中し、つながりづらい状況が続いた。
札幌管区気象台は「大雨特別警報(土砂災害・浸水害)」を発令中で、11日夕方まで土砂災害や河川増水による洪水に警戒、同昼前まで浸水に警戒するよう呼び掛け、警戒期間が過ぎても引き続き注意するよう促している。市内では小中学校に避難所を開設している。
11日、札幌市立の全ての小学校、中学校、高校、特別支援学校、幼稚園が休校になり、札幌円山球場で予定されていた高校野球秋季大会札幌地区予選も順延になった。
札幌市のホームページで避難勧告情報を掲載し随時更新しているほか、北海道防災情報サイトで情報を提供している。札幌市作成の「洪水ハザードマップ」は市のホームページからダウンロード可能。石狩川、豊平川とその支川である厚別川、野津幌川、月寒川、望月寒川でおおむね150年に1回程度起こる大雨などを想定した避難場所を示している。
札幌市は1981(昭和56)年に台風12号と15号の影響による豪雨で石狩川流域に記録的な大洪水が発生し、3万991戸が被害に遭っている。