札幌・ススキノ都通のフレンチレストラン「Bistrante vrai coeur(ビストランテ・ヴィレクール)」(札幌市中央区南3西3、TEL 011-252-0033)の熟成肉が人気を集めている。
昨年11月にオープンした同店。熟成エゾシカ肉(ドライエージングヴェニソン)や熟成牛肉(ドライエージングビーフ)を使ったメニュー、料理長・椎名健太さんの和洋中料理店の経験を生かした創作フレンチを提供する。
店舗面積は約35坪。席数はテーブル、個室など40席。エゾシカ肉は近年、地元企業や北海道庁は専門店開業やPRイベントなどを行うことでエゾシカの保護管理・消費活動を官民一体で進めており、注目を集めている道産食材。熟成肉は、エゾシカの解体処理を行う「北海道食美楽(しょくびらく)」(北海道新冠郡)で3週間以上熟成させたものを仕入れる。「木の皮だけでなく牧草をたくさん食べて育ったエゾシカ肉は質がいい。夏はあっさりと、秋・冬は軽くサシも入るなど、年間を通して楽しめるのも魅力」と椎名さん。地元猟師との交渉や椎名さん自身への猟の参加、解体処理を一貫して行うことでコストを抑えているという。「もっと気軽に熟成肉やジビエ(野生鳥獣の食肉)楽しんでいただければ」
主なメニューは、「熟成道産牛のリブロース」(200グラム=2,400円、400グラム=3,800円)、「ふわふわクネル アメリケーヌソース」(1,000円)、「ヌガーグラッセ フランボワーズのソルベ添え」(730円)、「北海道産黒豚肩ロースのグリエ マデラソース」(1,200円)、「本日のパスタ」(1,100円)、「砂肝のコンフィとツブ貝のエスカルゴ風」(990円)、「キタアカリとブルーチーズのクリームグラタン」(680円)、「エゾシカとフォアグラのテリーヌ」(1,580円)など。コースは3,680円~。
ワインにもこだわり、北海道・日高にある地下発電所で熟成させる「トンネル熟成ワイン」(580円~)を提供。「年間を通して10度前後・湿度70%ほどを保つ天然のワインセラー」だという。
「今後はエゾシカ肉のタン(舌)を使ったハンバーガーや、希少部位のエゾシカのアキレス腱やホルモン、クマ肉料理なども提供していく予定」と椎名さん。「肉の良し悪しは処理の良し悪しで決まる。新鮮な素材をきちんと処理できる業者や猟師とのつながりがあるからこそめずらしいジビエも提供できる。この店ならではのオリジナリティを発信し、ジビエやフレンチならヴィレクールと言ってもらえるような店にしたい」と話す。
営業時間は18時~翌4時。月曜定休。