北海道大学発のエッジAIスタートアップで、リアル空間のデータ化を推進するAWL株式会社(本社: 東京都品川区、代表取締役社長 兼 CEO: 北出 宗治、以下「AWL」)は、株式会社FOOD & LIFE COMPANIES(本社: 大阪府吹田市、代表取締役社長CEO: 山本 雅啓、以下「F&LC」)の子会社である株式会社あきんどスシロー(本社: 大阪府吹田市、代表取締役社長: 新居 耕平、以下「スシロー」)が運営する日本最大の回転寿司チェーン「スシロー」国内全店舗において、AWLの提案する顔認証ソリューション「FaceWatch」が採用されることを発表いたします。
本導入は、店舗セキュリティの強化と従業員の勤務実態の可視化を同時に実現することができる、外食業界および小売業界における先進的なDX(デジタルトランスフォーメーション)の取り組みとして注目される事例です。
■「FaceWatch」導入の背景と狙い
全国約650店舗、5万人以上の従業員が働くスシローでは、勤怠管理システムによる打刻で勤怠を管理してきましたが、打刻漏れや未打刻の残業が発生した際、従業員の自己申告以外に勤務実態を確認する手段がありませんでした。
このため、入退店の記録と勤怠データとの差異を突合し勤務実態を把握する必要性が高まり、本人認証による入退店記録のソリューションの導入の検討がされてきました。
入店管理にはテンキーによる開錠が用いられていましたが、開閉操作を行った個人を特定できないという課題がありました。また、従来の簡易な顔認証技術では、暗所や屋外での本人認証が困難という技術的な課題も存在していました。
これらの課題を解決するため、AWLが従来からの最先端の研究開発力と実装ノウハウを活かし、ニッコクソフト株式会社(東京都江東区、代表取締役社長:佐野 道郎)と共同で、顔認証専用端末と、顔認証エンジンをパッケージ化し、F&LCにおける1年半にわたる検討と実証実験を経て、「FaceWatch」のスシロー国内全店舗への導入が決定しました。
■「FaceWatch」の主な機能と特長
「FaceWatch」は、施設における業務効率化とセキュリティ向上を両立する、次世代型の顔認証従業員管理ソリューションです。
- 顔認証による入退室管理(電子錠・スマートロックと連携)
- 不正入店防止(退職者や部外者の侵入を防止)
- 勤怠比較機能(勤怠記録と入退室記録の自動突合)
- 未申請の時間外労働の検知
- AIカメラとの連携(AWLBOXとの統合でより高度な管理が可能)
- 【開発中】外国人従業員の就労資格チェック機能
■導入効果
「FaceWatch」の全店導入により、以下のような具体的な効果が見込まれています。
- 社員、アルバイトを含む従業員の暗証番号による入退店オペレーションを廃止
- 適正な勤務実態の把握
- 労務管理の効率化と、より働きやすい環境づくりに向けた入退店記録の活用
■F&LC人事部 労務課 松本様の声
私たち人事部労務課では、優良な人材を確保するため、日々労働環境の改善に本気で取り組んでいます。しかし 50,000人を超える従業員の勤務実態を私たち労務課が把握するのは簡単なことではありません。
従来の従業員自身による打刻では、打刻漏れや未打刻の残業があった場合、自己申告以外に確認する手段がありませんでした。
そこで、勤務実態を把握する方法として、従業員通用口の通過時間を記録し、入退店時間と勤怠記録の差異を比較するソリューションの導入を検討し、実証実験を進めてきました。
過去には指紋認証など他の本人認証手段も検討しましたが、設置要件やコスト面で見合うものがなく、他社の顔認証を試用した際には精度に課題があり、採用に至りませんでした。
一方でAWLのソリューションは、安価でありながら認証速度と精度に優れ、柔軟なカスタマイズ性を備えており、弊社のシステムとの連携や店舗形態に応じた対応、数万人規模の従業員情報の中央管理・運用にも対応可能な、労務管理に特化したソリューションであるということが試用の結果明らかになり、導入を決定しました。
飲食業界における「2030年問題」として人手不足が深刻化する中、労務管理の効率化と働きやすい環境づくりは不可欠です。
今後は、導入したソリューションを活用し、顔認証打刻による打刻修正業務の削減やシフトの最適化など、さらなる課題解決に取り組み、労務管理コストの削減と職場環境の向上を目指していきます。
■今後の展開
AWLとスシローは、今回の「FaceWatch」の導入を皮切りに、さらなる労務管理のDX推進や、AI技術を活用した業務最適化を進めていきます。
また、今回の導入事例をより多くの企業に活用いただくため、「スシロー × AWL」による共同ウェビナーを開催いたします。実際の導入プロセスや、現場でのリアルな声をお届けしますので、ぜひご参加ください。