AWL株式会社(以下「AWL」)、楽天モバイル株式会社(以下「楽天モバイル」)、楽天ヴィッセル神戸株式会社(以下「ヴィッセル神戸」)は、総務省「地域社会DX推進パッケージ事業(AI検証タイプ)」(管理事業者:株式会社三菱総合研究所)における実証団体に採択され(注1)、2025年6月から、共同で神戸市においてエッジAI(注2)を用いた大規模施設の監視システムにおける通信負荷の最適化に関する実証(以下「本実証」)を開始したことをお知らせします。
本実証は、AWLによるAIカメラソリューションや、楽天モバイルの通信アーキテクチャーと生成AI技術を利用し、サッカー・J1リーグに所属する楽天グループの「ヴィッセル神戸」のホームスタジアム「ノエビアスタジアム神戸」にて開催されるイベントにおいて実施します。具体的な研究内容は以下のとおりです。
- 概要:
警備業界、セキュリティ業界は深刻な労働力不足と人件費の高騰に直面しており、DX化やAIによる省人化・無人化が期待されています。一方で、スタジアム等の大規模施設での監視および分析にクラウドやAIを活用する場合は、大容量の映像データ送受信によって既存の通信インフラが逼迫し、通信コストの増大や高額な設備投資費を必要とする課題があります。
本実証では、通信量を削減しつつ警備業務の省力化を図ることを目的に、スタジアムの監視カメラ映像について、エッジAIを活用し、異常検知や通信負荷を動的に最適化するソリューションの有効性を検証します。さらに、将来的な社会実装に向けて様々な環境下での運用を想定し、AIにより無線アクセスネットワーク(RAN)を管理・制御する機能である「RIC(RAN Intelligent Controller)プラットフォーム」の活用を見据えた検証を実施します。
- 実施内容:
本実証では、以下の検証に取り組みます。
実証1: 通信量削減の検証
監視カメラの位置にファーエッジ(注3)を設置し、さらに複数のファーエッジを接続するエッジサーバーをスタジアム敷地内に設置します。ファーエッジでは、画像認識AIによる映像からのリスクレベルの検出・分析と、エッジサーバーから取得した通信輻輳度を総合的に判断し、映像データをテキスト、画像、動画クリップの3段階に圧縮。さらに、エッジサーバーでは複数のファーエッジから集約した監視情報を小規模言語モデル (SLM) で統合・要約・指示を生成し、警備担当者の端末等へレポートとして配信します。通信インフラの逼迫が起きやすい環境下において、モバイルネットワークの通信負荷の最適化と警備業務の省力化を図るとともに、RICプラットフォームの活用を見据えた検証を実施します。
実証2: AIの汎用性・拡張性の検証
監視カメラ映像から異常検知する画像認識AIの高性能化を目的に、人物の転倒、暴力探知など警備における人物認識の想定事例について課題が生じるか等を検証し、様々な環境下においても汎用的に活用できるAIソリューションの開発を目指します。
実証3: システム可搬性の検証
将来的には、環境に依存しない可搬性の高いソリューションとモバイルネットワーク技術を組み合わせることで、既存の通信インフラへの影響を最小限に抑えた汎用性の高い警備システムの構築を目指します。可搬型カメラを活用し、様々な環境下でのAIによる異常探知の精度向上に取り組みます。それにより、大規模イベント会場、遊園地、駅、空港、小売店、過疎地域など、多様なシチュエーションにおいて警備業務の最適化を実現する可搬性の高いソリューションの実現に貢献します。
■本実証の実施期間:
2025年6月~2026年1月(予定)
AWLと、楽天モバイル、ヴィッセル神戸は、本実証を通じて、地域の安心や安全という全国的な課題解決に寄与できるよう、検証に取り組んでまいります。
(注1)選定結果の詳細については以下の総務省ウェブサイトをご覧ください。
「AIを用いた通信負荷の低減・通信量の確保等の検証に関する実証団体の選定結果」
https://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01ryutsu06_02000432.html
(注2)エッジコンピューティングにおいて、AIを活用する技術のこと。センサーやカメラなどのエッジデバイスでAI処理を行うことで、リアルタイム処理や通信量の削減などが見込める。
(注3)エッジコンピューティングにおけるエッジデバイスのタイプで、個々の設備などエンドポイントに近い場所で計算処理を行うソリューションのこと。
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AWL株式会社(アウル株式会社)
設立 2016年6月1日
代表者 代表取締役社長 兼 CEO 北出 宗治
所在地
【東京本社】東京都品川区西五反田2丁目24番4号 THE CROSS GOTANDA 8階
【札幌本社】北海道札幌市東区北8条東4丁目1-20
事業内容 リアル空間をデータ化するエッジAIソリューション事業
https://awl.co.jp
【お問合せ先】
AWL株式会社
担当 土田、和田
info@awl.co.jp