7月23日から始まる鈴鹿8時間耐久ロードレースに参戦する札幌出身のロードレーサー武石伸也さんの壮行会が7月5日、「グローヴ ウィズ アクアスタイル」(札幌市中央区南9西4)で行われた。
壮行会には支援者らが多数訪れ、武石さんの挑戦にエールを送った。
武石さんは今年で47歳。10年間ワークス(プロ契約)に所属して1991年から鈴鹿8耐に参戦し、1992年には日本人として初めて予選を1位通過し決勝で3位を獲得するなどトップライダーとして活躍した。2002年に引退したがサーキットの楽しさが忘れられず6年ぶりにプライベートチームで8耐に復帰、2009年に決勝で2位となり復活を果たした。以来、唯一の北海道出身ライダーとして鈴鹿に挑戦し続けている。今年は「CONFIA Flex Motorrad39(コンフィア・フレックス・モトラッド39)」に所属して優勝を狙う。
ワークスのライダーとして8耐に参加していたころはバイクもタイヤも遠征費用もすべて企業が負担していたが、プライベートチームでの参戦では、サーキットのテスト走行と本番も含めた旅費、タイヤ、パーツ交換など武石さんの必要経費約1,100万円は個人で負担しているという。2年前まで自身の活動や企業スポンサーなど、すべて一人で資金集めをしていたが、昨年から支援者と協力するようになった。「一人で活動していたときよりも、レースで結果を残して支援者の気持ちに応えたい思いが強くなった」と武石さん。
8耐に挑戦し続ける理由を「活動を応援してくれる人のほとんどがレースやバイクを知らない人。応援することでバイクに乗る楽しみを知ったり、おじさんライダーがまたバイクに乗り始めたりするきっかけになれば。北海道には十勝サーキットスピードウェイもある。道内モータースポーツの盛り上げや後進育成にも貢献したい」と話す。
「若いころの速さは取り戻せないが、長年の経験や判断が耐久レースの持久力に役に立つ。今年は全日本ロードレースにフル参戦し準備してきた。ぜひとも8耐の表彰台を目指す」と力を込める。
現在クラウドファンディングサイト「ACT NOW(アクトナウ)」で武石さんの活動を支援する「鈴鹿8時間耐久レースでまだまだやれることを証明したい!」プロジェクトを開設し、必要経費のうち100万円の支援を呼び掛けている。締め切りは7月22日。