「全国高等学校生徒商業研究発表大会」の北海道予選が8月29日、「札幌コンベンションセンター」(札幌市白石区東札幌6条1)で開催された。
商業クラブの高校生たちが商業・経済・産業・地域活性などをテーマに、約1年かけて研究した成果をプレゼン形式で発表する同大会。全国10地区で予選を行い、審査により選ばれた高校・計21校が全国大会へ駒を進める。北海道予選には10校が参加した。
各校は地域ごとに根付いた産業のアイデアや新商品の開発、観光ツアーの企画、フェアトレードやエコに関する研究成果を発表。地元企業とタイアップしたクラブやメディアを使ったプロモーションなど、さまざまな方法と視点から研究した成果を披露した。
審査の結果、総合賞を獲得して全国大会への切符を手に入れたのは北海道旭川商業高等学校、北海道千歳高等学校の2校。結果がアナウンスされた際には涙を流す生徒の姿も見られた。
旭川商業のテーマはエネルギー。「地域や人びとの心に光が指す活動を」と願いを込めた「木漏れ日ビジネス」を研究活動の柱とし、バイオマス発電の実証実験、エネサイトフェアへの参加・調査による成果を発表。千歳高校は「千歳のマチにトキメキを」をテーマに、地元名産のトマトを使った「ご地域グルメ」に着目。地元の菓子製造販売「もりもと」や「ANAクラウンプラザホテル千歳」のホテルシェフと新商品の開発など、高校生ならではのユニークな発想、地域とのつながりを生かした活動成果を発表した。
審査を行った札幌市立大学・デザイン学部の武田亘明准教授は「皆さんが地域と連携し研究してきたことは大変素晴らしいものだった。ここまで経験してきたことは大きな強みにもなるはず。物事の始まりにもっと疑問を投げかけることやコンセプトワークに力を入れること、この経験を社会に出てからどう生かしいくかなど、活動の広がりや可能性も視野に入れ今後の活動にもつなげてほしい」と次年度に向けてのアドバイスを含めて総評。
旭川商業の小室亜依さんは「研究を通して実際に地域の人の笑顔を見ることができたことがとてもうれしかった。地元の方々、先輩方の活動の成果もあってここまで来ることができた。今回の資料や発表をより磨き上げ、全国大会ではさらに最高のものにしたい」、千歳高校の乾夢菜さんは「緊張と不安もあったが、これまで応援して下さった方や協力いただいた企業、先輩方の積み重ねもあり結果も出せたと思う。研究を通して地域と触れ合えたこと、ご地域グルメを店頭販売したときに笑顔と出会えたことが本当に良い経験になった。全国大会では北海道の代表として恥じないプレゼンにしたい」と、それぞれ全国大会へ意気込みを語った。