札幌・市電通り沿いに11月25日、サブカルチャー誌専門古書店「tronika(トロニカ)」(札幌市中央区南1条西13、TEL 011-596-0909)がオープンした。
ファッション系のコーナー。「1970(昭和45)年の『anan』6号など注目度が高い」(広川さん)
東京で音楽関係の会社に勤務していた店主・広川さんが開いた同店。昔から趣味でCDや古本を集めていた広川さんが、昨年ネット古書店「トロニカ」をオープン。今年東京から地元・札幌に戻った広川さん。「偶然『モダンでレトロなビル』を見つけ、その雰囲気に引かれて実店舗オープンを決意した」という。「調べてみると1924(大正13)年に建てられたビルだとわかって驚いた。市電の線路沿いという立地もレトロ感を後押しして気に入った」とも。
店舗面積は10坪。内装は「あえて手直しせずレトロな雰囲気をそのまま残した」という。1960~2000年代の音楽・映画・ファッション・デザイン・建築・暮らし・手芸などの雑誌のバックナンバー約8,000冊を取りそろえる。広川さんは「60~80年代のサブカルチャーは若い人にとって新鮮に感じるはず」と話す。
店内には「市電の音を聞きながらゆっくりと本を読める空間をイメージした」という窓際の読書カウンターや企画展示を行う「ミニ展示スペース」を設ける。現在展示スペースでは「中原淳一と少女雑誌ひまわり展」を開催中。中原淳一が戦後間もないころ、ファッションに注目し発刊した『ひまわり』の復刻版を展示している。
「オープンして約2週間。バックナンバーの雑誌を専門に扱う本屋は札幌にはなかった。『昔持っていた』『懐かしい』という声が聞けるのがうれしい」と広川さん。「近隣にはカフェも多いので雑誌を買ったあと立ち寄って本を読むなど、これから札幌の人たちにとって魅力的に感じるスポットになってほしい」と期待を寄せる。今後はCDや雑貨の取り扱いも検討していくという。
営業時間は12時~19時(土曜は17時まで)。日曜・祝日定休。