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札幌の寺院でディジュリドゥ奏者GOMAさん絵画展-ドキュメンタリー映画の上映も

GOMAさんと2012年作品「赤い花」

GOMAさんと2012年作品「赤い花」

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 オーストラリア先住民族の管楽器ディジュリドゥ奏者・画家のGOMAさんの絵画展が浄国寺(札幌市西区山の手1条12、TEL 011-621-0791)で開かれている。

本堂にならぶGOMAさんの作品

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 同寺の本堂に、2011年~2013年に描かれた光の輪や富士山をモチーフにしたものなど作品24点が並ぶ。札幌でこれだけの点数を持ち込んだ絵画展は初めてだという。絵はアクリル絵の具の小さな点の集まりで表現されており、大きな作品の制作期間は4週間ほどだという。

 ディジュリドゥ奏者として活動しているGOMAさんが絵を描き始めたのは2009年から。同年11月に交通事故に遭い外傷性脳損傷と診断され、高次脳機能障害の後遺症で事故前の記憶が失われ、新しい経験や情報が覚えられなくなった。1998年にオーストラリアで開催されたバルンガディジュリドゥコンペティションでノンアボリジニ奏者として初めて準優勝するなど精力的に演奏活動していたことも忘れてしまったが、絵を描く経験がなかったにも関わらず、自分でも気が付かないうちに突然綿密な点描画を描き始めたという。

 記憶を失うだけでなく、半身まひやてんかん、感情のコントロールができないなどの後遺症がある中リハビリしながら、作品を描き続け2010年に東京や大阪で個展「記憶展」を開催。2011年には「フジロックフェスティバル」で音楽活動を再開した。今年8月に石狩湾新港で開催された「ライジングサンロックフェス」にも出演している。

 絵画展のきっかけは、浄国寺の高橋浄英住職が昨年3月にGOMAさんを主人公として事故前から現在までを描いた映画「フラッシュバックメモリーズ3D」を札幌で鑑賞したこと。共通の知人を通してGOMAさんと食事をする機会があり、同年10月に同寺でGOMAさんのディジュリドゥコンサートを行うなど交流が深まった。

 「作品に表現しているのは僕が今見えている光の世界や、事故の前に見たことがある画像が急によみがえってくる記憶。てんかんの発作で意識を失った時、あちらの世界から現実世界に戻ってくるときに光の世界に包まれている。その光や記憶を描きたくて絵を描き始めた」とGOMAさん。

 絵画展初日の夜には「フラッシュバックメモリーズ 3D」上映会とトークイベントが行われ、80人が鑑賞した。GOMAさんは「自分の記憶が失われていく代わりに絵が残っていく。気が付いたら作品が約400点できていた。事故前のように曲を覚えることができなくなったが、今は身体の記憶を使って生きている。ディジュリドゥのことも身体が覚えていた。今は新しい曲を体が覚えるまで何度も繰り返しているので時間がかかる。今後はこの絵と映画とライブをセットにして一歩一歩活動していきたい」と話した。

 開催時間は9時~17時(法要などで本堂使用時は入場できない)。入場無料。9月7日まで。

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