北海道・洞爺湖で開催される「TOYAKOマンガ・アニメフェスタ2012」開催に合わせ6月4日、札幌市内で「痛タク」の運行が始まった。
「痛タク」のボンネット。「女神さま」(左)と「花代美湖(はなしろみこ、通称=かよ)」
2010年から開催し今年で3回目を迎える同フェス。洞爺湖周辺の温泉街でコスプレ、声優によるライブ、同人誌即売会、アニメキャラクターなどを車にラッピングした「痛車(いたしゃ)」展示会などを行う人気イベントで、昨年は約7000人が来場した。
タクシー会社の長栄交通(札幌市北区新琴似2条13)が「札幌痛タク実行委員会」を組織し企画した。「とにかく札幌の街を元気にしたい」と同社営業企画課課長の竹内紀仁さん。「7000人もの来場者が集まる大規模なイベントを札幌市外で開催できるのに札幌は何をやっているんだと思った。法人の会社や大人が『本気で行動したらどうなるか』ということを伝えたい」と意気込む。
「痛タク」は、キャラクターデザインなどを手掛ける深翠(ふかみどり)うりさんがデザインした同フェスのキャラクター「花代美湖(はなしろみこ、通称=かよ)」と、「洞爺湖周辺の自然をつかさどる」という「女神さま」を描く。全国のタクシーの中でも初というフルラッピングで仕上げ、レーシングカーをベースにデザインした。「アニメというと『オタク』『ロリコン』というイメージを持っている方も多いが、日本を代表するサブカルチャーとして広く知ってもらい従来のイメージも払しょくしたい」と竹内さん。「若いクリエーターを大人が応援し、才能を輩出するきっかけを作りたい。札幌に代表する初音ミクのように、新たな文化を創造することにもつながれば」と期待を寄せる。
「タクシーの業界自体も昭和50(1980)年代以降の若者も少なくなってきている。料金やサービス以外の部分で「こんな企画もできるんだ」と、若者が(タクシーに)興味を持つきっかけにもなれば」とも。
同フェスの開催日は6月23日・24日。同車の運行は8月ごろまでを予定する。