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札幌の「まちのこそだて研究所」活動、都心部で初めての勉強会

3月17日に開催された初めての「まちの子育て勉強会」

3月17日に開催された初めての「まちの子育て勉強会」

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 札幌駅前通まちづくり(札幌市中央区北3西3)が3月17日、赤れんがテラス(北2西4)で「まちの子育て勉強会vol.1」を開催した。

吉田徹さんの話にメモを取る参加者

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 同社が昨年11月に事業スタートした「まちのこそだて研究所 gurumi(ぐるみ)」の活動の一環。さまざまな職種や家族の形で働く都心部のワーカーを対象に、まちで働きながらどう子育てをしていくのかに視点を置き、子育て世代のワーカーのニーズ調査や課題解決を行う。ネーミングには「まちぐるみ」「地域ぐるみ」など、周囲と一体となり子育てを応援していくという思いを込める。

 昨年11月に「まちのこそだて研究gurumi」公式ウェブサイトを開設。都心部で働く母親や父親のインタビュー記事を掲載している。現在、2人の母親と、子ども食堂を運営に携わる政治学者の吉田徹さんの事例を紹介。

 勉強会では、吉田さんが子どもの貧困をテーマに日本と海外の子育て環境を比較して紹介したほか、自分たちの身近なことから子育てを考えるグループワークを行った。参加者は独身女性、妊娠中の女性、子育て中の女性や夫婦、子育てが終わった女性など、20~40代の男女10人。SNSや近隣企業へ呼び掛けて集客したという。

 発起人の柴田未江さんは、1児の母で現在妊娠中。「実家が遠いため働いているときの子育てサポートは他者に頼むしかないが、周囲の理解があるから孤独を感じることはない」と話す。「だが、子育てをしながらバリバリ働いている女性に話を聞いてみると、同僚であってもなかなか語り合えないといい、悩みを抱えていることも多い」と顔を曇らせる。

 勉強会のグループワークでは、参加者から「結婚、子育てに漠然とした不安がある」「女性は女性に厳しい」「ポジティブな意味で諦める力がついた」などの声も聞かれたという。

 柴田さんは「寒冷地ならでは知恵もある。例えば、手袋の手首のところに靴下を切った部分を縫い付けると、雪が入らなくて冷たくないとか、米袋でそりを作るとか。そういう身近な情報も札幌から発信したい。長い目で活動を続けて、札幌のまちの価値を上げていきたい」と話す。

 次回は4月下旬に子ども同伴のランチ会を予定する。

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