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札幌で企画展「アイヌの伝承者 浦川太八、80歳」 工房で使う道具などを展示

撮影するニシカワヨシエさんと被写体の浦川太八さん

撮影するニシカワヨシエさんと被写体の浦川太八さん

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 企画展「アイヌの伝承者 浦川太八、80歳」が現在、「GALLERY ESSE」(札幌市北区北9西3)で開催されている。主催は「浦川太八の伝承を考える会」。

「令和3年6月 肖像画」©Yoshie Nishikawa

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 同会は北海道からアイヌ文化の素晴らしさを世界へ発信する目的で活動を行っている。同展では、北海道浦河町で山猟・川漁を現役で行いながら、工房でマキリ(小刀)・タシロ(山刀)をはじめとする数多くの木彫制作を行う浦川太八さんを紹介する。

 浦川さんは1941(昭和16)年同町生まれ。30歳を過ぎた頃から札幌で木彫りの仕事に携わるようになり、40歳のときに同町に戻り、ホロベツ民芸を立ち上げる。作るものは全て日常の生活体験に基づいており、今年80歳を迎える今もなお、現役の猟師として熊や鹿の猟に山へ出かけ、仕留めた獲物を解体する道具の使い手にして作り手とされる。表彰なども、第18回北海道アイヌ民芸品コンクール一般民芸品部門での北海道知事賞受賞や第30回北海道アイヌ伝統工芸展伝統工芸品部門での知事賞受賞をはじめ、アイヌ工芸品展・英国スコットランド国立博物館所蔵アイヌ民族工芸品複製(アイヌ文化財団主催)に参加し、森の名手・名人(加工部門)の認定を受けるなど多数ある。

 同展では、同会で残している記録の数々と浦川さんの工房から借用した品を初めてお披露目することで、他のアイヌ文化普及活動とは違った角度からアイヌ文化へ興味関心をもってもらうことを目的としている。同展は1996(平成8)年からイタリアミラノを拠点に活躍している札幌出身の写真家・ニシカワヨシエ氏がカメラに収めた「80歳を迎える浦川太八氏の今」を展示する。

 ニシカワさんは「太八さん日常を見られる。実際に利用している道具や太八さんの母が作った刺繍ものなど、彼のアトリエが引越ししてきているかのような、日常にあるものがここにある。太八さんを感じられる空間がここにあるのでぜひ来場を」と呼び掛ける。

 開催時間は13時~19時(最終日は17時まで)。入場無料。今月8日まで。

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