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札幌ビズカフェ再始動-グローバルベンチャー発掘イベントで若手起業家支援

パネルディスカッションに熱心に耳を傾ける参加者ら

パネルディスカッションに熱心に耳を傾ける参加者ら

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 NPO法人札幌ビズカフェ(札幌市中央区南1西4、TEL 011-700-5000)と一般社団法人テレコムサービス協会(東京都)が9月27日、札幌証券取引所で札幌の若手起業家を支援するイベント「スタートアップイニシアティブin EZO」を開催した。

札幌ビズカフェ代表理事の石井宏和さん

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 「北海道におけるベンチャーマインドの醸成」ならびに「グローバルベンチャーの発掘・育成」を目指した同イベントに、ビジネスマンや起業家、投資家、学生など約120人が参加した。

 イベントは3部構成で、各分野の第一線で活躍する起業家4人が道内若手起業家にエールとメッセージを投げかけた。パネルディスディスカッションではパネリスト5人が「ベンチャー企業が誕生し成長していくには」をテーマに自身の企業での事例を紹介。第2部では道内で活躍する若手起業家4人が5分間の事業内容のプレゼンテーションを行い、参加投資家やメンターらからフィードバックを受けた。

 前札幌ビズカフェ副代表でビジネス・インキュベーションを行っているヒューマン・キャピタル・マネジメントおよびバイオベンチャー企業・イーベックの土井尚人社長は、札幌でインキュベーションを始めた理由や小さなバイオベンチャーが成功するまでの経験、企業家としての心構えなどを紹介。併せてさっぽろ産業振興財団が提供している「さっぽろベンチャー支援事業」による資金援助などの活用を促した

 ガンホー・オンライン・エンターテインメント 新規事業開発室室長の橋本裕之さんは「社長には熱意を超えた妄想の力と行動が必要」、北海道ベンチャーキャピタルの桶川幸一さんは「投資する際には社長を見る。企業が成長するポイントは、社長を補完しブレーキをかけるNo.2の存在とNo.2を補佐する社員がいること」など投資家からの視点を伝えた。

 第2部では、北海道から世界各国にグローバル展開している若手起業家4人がプレゼンテーションを行いメンターからフィードバックを受けた。アジア各国から道内旅行に訪れる外国人をターゲットにした飲食店や土産店を運営するJerop(ジェロップ)の「北海道から世界へ発信するブランド展開」、飲食店などの日本語メニューを多国語に翻訳してスマートフォンに表示する「セカイメニュー」、北海道を訪れた外国人観光客が帰国してから海産物などの土産品をリピート購入する手段を提供する「スマート便」、中国のSNS「ウェイボー」を活用して北海道の観光情報を拡散しツアー誘客する仕組みをPRした。

 札幌ビズカフェは今年で設立15年目。今年7月に設立当初から参画していたボードメンバーの世代交代が行われたため、新メンバーによる初イベントとなった。同団体の代表理事に就任した石井宏和さんは広島県出身。2000年に札幌ビズカフェが誕生したときは北海道大学法学部の学生だったという。卒業後は北海道を中心に食と農業に関するプロジェクトやベンチャー支援を行う会社を起業。「札幌ビズカフェは僕にとって起業の学校だった」と語る。

 同団体は2000年6月に2年間の期間限定でJR札幌駅北口にIT企業の情報交換の場として「札幌BizCafe(ビズカフェ)」をオープン。道内のベンチャー企業や北海道ベンチャーキャピタルからの資金提供などにより、IT関連企業の活性化とベンチャー企業の創出に尽力した。2002年3月に施設を閉鎖した後も国内外の拠点作りやベトナム、台湾、香港などアジア各国のネットワーク構築など支援活動を行っていたが「活動内容が見えづらくなった」という声が届くようになったという。今回を機に、設立当初の原点に戻り、起業家交流および情報共有の場作り、資金調達の機会、メンターシップなどの提供に力を入れていく予定だ。

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